東京・神泉駅から5分ほど歩いた住宅街にある「オステリア アッサイ」。オーナーシェフの星 誠さんは、学生時代のアルバイトでイタリア料理に魅了され、料理の世界へ。都内のイタリア料理店を経て渡伊し、フィレンツェ、ミラノ、シチリアなどに計9年間滞在し、三ツ星店から街場の家庭料理の店まで20以上の店で修業を重ねた。「長期間滞在する中で、シンプルだけれども食べ飽きない、伝統料理の味わいに強く惹かれていった」と話す星さん。
　夜のメニューは、おまかせコース（6500円）の他、単品は前菜6種、パスタ・リゾット7種、主菜5種。現地の伝統料理の魅力と、素材の味わいがまっすぐに伝わることを重視したシンプル料理が揃う。中でもパスタは、トウガラシの辛みがきいたトマトソースとパスタを和えた、フィレンツェの伝統料理を再現した「トマトソースのピリ辛スパゲッティ」（1400円）や、サルデーニヤの定番「ポッタルガのスパゲッティ」（1500円）など、現地を意識した仕立てが多い。それゆえ、前者にはプーリア産ホールトマトとトスカーナ産Ｅ．Ⅴ．オリーブオイルを、後者にはサルデーニヤ産ボツダルガとＥ．Ⅴ．オリーブオイルを使うなど、料理の味を左右する素材や調味料にはとくに力を入れる。他方、カブとズワイガニをその殻からとっただしで煮詰めてニョッキと合わせた「ズワイガニとカブのニョッキ」（2000円）など、現地にはない組合せだが、日本独特の素材で旬を生かした料理を組み込むことも。
　なお、主菜は「短角牛のグリル」（4500円）など、必ず300ｇ以上を提供する肉料理を主とし、食べごたえも重視。「アッサイとはイタリア語で″たくさん〟という意味。お客さまにお腹いっぱい食べてもらい、笑顔でお腹をなでながら帰ってもらいたい」（星さん）