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日本の伝統食品

くらげ
(福岡県・柳川)

古人も愛でた食材が、夏から秋の有明海へやってくる

 おろしショウガと酢醤油でさっぱりといただく清涼感。こりこりと音を立てて噛み砕く、クラゲのあの歯ごたえの心地よさはこたえられない。
 中国料理の大事な素材であるクラゲも、日本料理ではあまり重用されていないようだ。わが先祖さんたちは、クラゲ食いではなかったのだろうか??。
 平城京跡から出土した木簡にその答えがあった。天平18年(746年)の旧暦9月に、備前国から奈良朝廷へクラゲが送られたと記録されている。
 酒の肴か、それともご飯の友だったか。いずれにせよ、好もしいものだっのだろう。「水母」や「海月」といった風流な漢字を当てている。
 平安時代には、宮中の行事食にも用いられており、「四角に切って酒で洗い、鰹を酒に浸した汁と生姜酢を和えて食す」と料理法も残っている。武士の時代は、宴席を彩る珍味だった。
 古人(いにしえびと)も愛した大クラゲが、夏から秋の有明海へやってくる。

◎お問い合わせ:中水
◎住所:福岡県柳川市筑紫町中散田492-1
◎TEL:0944-73-5188

Text:Yukie Mutsuda Photo:Hiroshi Ohashi

地元漁師が「シロクラゲ」と呼ぶ、ビゼンクラゲ。透き通って美しいが、足や粘液には毒があり、触れると肌が赤く腫れ上がる。秋には傘の径1m以上、重さ100kgになる。

光る海の波間に漂う大クラゲを船上から見つけて、直径80cmもある大手網ですくう。のどかな大クラゲ漁は、晩夏から秋にかけて最盛期を迎える

 

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