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月刊食堂60周年特別企画 外食支援企業13社が語る 業界へのメッセージ、これからの貢献

株式会社ラショナル・ジャパン

東京都千代田区神田猿楽町2-8-8 住友不動産猿楽町ビル1F
☎03-6316-1188
https://www.rational-online.com
[設立]1992年8月
[資本金]1000万円

株式会社ラショナル・ジャパン
代表取締役社長
赤井 洋

最適な調理を実現する2つの製品で
新たなビジネスチャンスを創造する

 ラショナルは1973年ドイツで創業しました。㈱ラショナル・ジャパンの設立は92年で、海外法人としてはイギリスに次ぐ2番めの進出です。和洋中の飲食店やホテル・旅館の飲食部門といった変化に富んだ食文化を持つ日本が、重要なマーケットになるという経営判断であったと思います。30年の間に、日本国内でもスチームコンベクションオーブン(以下スチコン)へのご理解が進み、飲食店、ホテル、給食、ケータリング、スーパー、製菓・製パン店をはじめとする物販店など、幅広い食分野で当社のスチコンをご評価していただけたことに心より感謝申し上げます。
 現在、スチコンは多数の製品が販売されていますが、当社の「iCombi®(アイコンビ)」シリーズの特徴は、特許技術である精密な庫内環境管理にあります。温度1°Cと湿度1%単位で設定することができ、その設定通りに調理ができます。一般的なオーブンにも温度設定機能は装備されていますが、庫内は必ずしもその温度通りではなく、温度が変わることでご苦労をされることも多いと思います。ラショナルのスチコンでは、誰が操作しても設定通りの安定した仕上がりが可能となります。
 当社として大切にしているのが、「機能を充分理解したうえでご採用を決定していただくこと」、そして「導入後にもスチコンのポテンシャルを最大限に活用していただくこと」です。当社の営業担当は料理人経験のある社員が多く、経験のない社員も含め、入社時には必ず全員が調理研修を受けます。有名レストランでシェフを務めたナショナル・コーポレートシェフが、一定レベルに達するまで責任を持って社員教育をするシステムです。飲食店を訪問する際には、コックコートの着用を推進しております。スチコンは調理場で使っていただく設備ですので、現場の皆さまと同じ目線でお話をうかがいたいというメッセージです。ご導入後も営業担当がサポートを続けるほか、利用方法のアドバイスを行う地域ごとのリージョナル・コーポレートシェフ、365日対応の電話ChefLine(シェフ・ライン)など、ラショナルのスチコンを最大限にご活用いただける体制を整えております。

最少人数でのオペレーションで大量調理を短時間で仕上げる

 このスチコンとともに利用し、メニュー全体のレベルを大きくアップする調理機器が「iVario®(アイバリオ)」シリーズです。一見グリドルのように見えますが、グリルのほか、揚げもの、煮込み、パスタ・野菜などのゆでもの、圧力調理など、多くの機能を備えています。熱源は特許取得の強力なセラミックヒーターで、立ち上がりが速く、2分で200°Cにまで達します。パン全体の温度を精密に管理するセンサーにより、最大で4ゾーンの温度設定ができるため、違った温度の料理を同時につくることができます。インテリジェントなエネルギー管理システム「iVarioBoost」による省エネ効果も高く、調理時間も短縮できるため、電気代・人件費・食材ロスの削減を合わせて大きなコストカットが可能になります。iCombi®とiVario®を導入していただいたお客さまのセントラルキッチンでは、最少人数でのオペレーションで大量調理を短時間で仕上げています。この2製品で最高のパフォーマンスが実現し、メニュー数も広がっているとうかがっております。ビジネスパートナーとしてうれしい事例です。また当社の製品は、インターネットを介して機器の状況を把握できる「ConnectedCooking」をご利用いただけます。リアルタイムの調理進行や、HACCPデータの記録と確認、レシピ管理と配信など、豊富な機能を備えています。複数店を経営するオーナーさまなら、新レシピもすぐに全店に送ることができます。
 こうした本社の製品をご理解いただくため、テストキッチンで「ラショナル・クッキングライブ」を開催しております。長くパートナーとしてお付き合いいただくための第1歩として、現状の改善や、新業態・新店舗開発のお役に立てると思います。これからも飲食店の皆さまと、共に考え、新たなビジネスチャンスを生み出していくことがラショナルの目標です。

株式会社リクルート

東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー
☎03-6835-3000
https://www.recruit.co.jp
[設立]2012年10月
[資本金]3億5000万円

株式会社リクルート
飲食プロダクトマネジメントユニット
『Airレジ ハンディ』サービス責任者
植田雄大

実店舗での実証実験を経た商品開発で
飲食店業務のデジタル化を支援

 ㈱リクルートではテクノロジーを活用した各種業務・経営支援サービスとして、予約・受付管理、会計、決済、シフト管理など、お店のアナログな業務にかかる手間、時間、コストを軽減できる「Air ビジネスツールズ」を提供しております。「Air ビジネスツールズ」は多様な法人さまとお付き合いしておりますが、私が担当する『Airレジ ハンディ』の開発過程では、居酒屋・ラーメン業態を中心に展開する法人さま、焼肉・すし・イタリアンを展開する法人さまとのパートナーシップにより、誰でも簡単にスムーズな注文・調理・提供・会計という一連の業務ができるサービスを構築してまいりました。具体的には新機能リリース前のヒアリングにご協力いただき、先行リリースでは実際の使い勝手や要望など、フィードバックされた情報をプロダクト開発に反映させております。
 現場の声を反映した二人三脚でのプロダクト開発とともに、データ活用による各種分析を通して業務支援できる点も当社の強みです。『Airレジ ハンディ』でわかりやすい活用例を挙げたいと思います。
 1つめは、客単価が上がる商品の勧め方を提示する「おすすめリコメンド」です。『Airレジ ハンディ』を導入した居酒屋業態50店で注文履歴データを分析して、セットで頼まれやすい商品や客単価が上がる商品など、商品と売上げとの相関性を分析しています。例えば、最初の注文に「鶏のつくね」を頼んだお客さまに「馬刺し」もおすすめすると客単価が上がりやすい、といった法則を見つけ出します。そして法則通りの勧め方を実際にしてみた結果、本当に客単価アップにつながったかどうかを実験し、「おすすめリコメンド」を決めます。2つめはキッチンモニターの注文、提供時間データを活用した提供遅れ防止機能です。ペーパーレスプランでは商品ごとに自動記録される、端末から送信した注文時間と調理終了時間を分析すれば料理をつくるタイミングがわかり、提供遅れが防止できます。3つめはメニュー表の解析です。商品をメニュー画面のどの位置に表示すると注文率が上がるか、右下なのか左上なのか、いろいろなパターンで実験してみれば、注文されやすい位置がわかります。4つめは新商品などの注力商品の注文率と提供時間分析です。新商品、季節商品、看板商品の注文率の情報を分析して、お客さまに本当に受け入れられているかを調べます。また提供時間も分析することでオペレーションを改善すべき商品が特定できます。

コロナ禍で加速するデジタルツールによる業務支援

『Airレジ ハンディ』は現在、申込時にぺーパーレスプランかプリンタープランかを選択し、さらにセルフオーダーを付けるか付けないかをご選択いただいています。ペーパーレスプランは、店内にプリンターなど専門機器を導入する必要がなく、モニターに使えるiPadがあれば、最速で申し込み当日から使えるうえ、初期費用もいっさい掛かりません。
 セルフオーダーはお客さまが自分のスマホでQRコードを読み取って、自分のペースで注文できるサービスです。注文業務がなくなるためスタッフの人員削減ができ、お客さまにとっては注文待ちのストレスがなくなります。また注文の機会損失も減るため客単価アップも期待できます。さらにコロナ感染対策として非接触型接客が求められていることから、セルフオーダーへのお問い合わせが増えています。
 コロナショックで外食市場規模は縮小し、飲食店は「新しい日常」への対応でさまざまな苦労を強いられています。店内飲食以外にテイクアウト、デリバリーなどで注文管理が煩雑になったことで提供ミスや遅れなどトラブルが発生しやすくなり、また非接触の推進により接客シーンが減ったことで、商品の魅力訴求も難しくなっています。このような状況の打開策としてデジタル化への関心が高まっています。スタッフの負担が減り、お客さまにも喜ばれる『Airレジ ハンディ』などのデジタルツールは、コロナ禍においてさらに普及が進むことが予想されます。今後も引き続き業務支援に役立つ商品開発に力を注いでいき、外食産業の発展に貢献していきたいと考えています。

ルーツ貿易株式会社

千葉県市川市新田4-13-8
☎047-379-1505
https://e-roots.co.jp/
[設立]1978年5月
[資本金]3555万円

ルーツ貿易株式会社
代表取締役
白根慶治

高品質なヨーロッパ製の機器・食品で
外食の価値向上に貢献していく

 ルーツ貿易㈱は、1978年創業で、40年以上にわたりヨーロッパから輸入した機器・食材を揃え、日本の食関連企業の皆さまとのパートナーシップを築いてきました。現在は製菓・製パン関連を中心に幅広いお取引をさせていただいております。
 取扱い商品は、店舗メニューのグレードアップのお手伝いができればと考えたラインアップで、機器・食材とも品質にはこだわっております。食材で特に重点を置いているのはイタリア産です。なかでもシチリアのアフロンティ社のアーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、松の実といったナッツ類は、同地で古くから生産されているもので、風味が濃厚で日本のパティシエの皆さまからも高い評価を受けています。レストランでも自家製デザートやお持ち帰り品、ネット販売アイテムなどにご活用いただければ、その風味で商品価値を高めてくれるおすすめの食材です。シチリア産食材のプレミアム価値はスイーツ好きの消費者にはよく知られていますので、ぜひご活用いただければと思います。イタリア北部ピエモンテ州のアグリモンタナ社の加工フルーツやマロンもおすすめです。キャンディドマロンやフルーツ(フリュイコンフィ)は、添加物を使わず自然な風味を大切にして、果実そのものの味や香りを生かしています。ご承知の通り、デザートの印象は店の評価に大きく影響を与えます。これらの商品は特別な手間を加えることなくメニュー価値を高めることができるので、忙しい飲食店の皆さまでも手軽にご活用いただけると思います。
 当社では、これらの原材料を使ったジェラートや焼き菓子などのOEM商品も承っております。アグリモンタナ社の製品をベースとしたジェラートや、シチリア産ナッツを使ったフィナンシェなどは、ヨーロッパそのままの味わいです。焼き菓子は持ち帰りやギフト商品としてもお使いいただけます。日本ではカジュアルから高級店までイタリアンレストランが全国に広がっており、消費者にもイタリア食材のおいしさが認知されております。当社が輸入しているイタリア産を中心とした食材は、欧米料理はもちろん、和食や中華、エスニック料理でも、メニューに華を添えてくれるでしょう。

ヨーロッパで高い評価を受ける調理機器を厳選して輸入

 機器類の中で、製菓業界で広くご愛用いただいているのが、フランス・ダイナミック社のハンドミキサーです。ハンドミキサーは、パワー・操作性・耐久性・洗浄性などにより、日々の作業負担に大きな差の出る調理器具です。ダイナミック社の製品では、店舗規模に応じ1リットルから300リットルの仕込みができる製品を揃えております。ご利用いただいているパティスリーの皆さまからのリピートの多い製品ですので、料理店でも安心してご採用いただけると思います。
 仕上げた生菓子を乾燥させずに保管できると、高いご評価をいただいているのが、デンマーク・グラム社の高湿度冷蔵庫や高湿度コールドテーブルです。この冷蔵庫は、温度・湿度の管理はもちろん、同社独自技術により、乾燥の原因となる製品への直接冷気の吹付けがない空気循環システムを備えています。当社の納入先はほとんどがパティスリーですが、製品の機能的には冷製料理の品質保持にも適しており、スイーツ同様、料理の品質アップにもご活用いただけます。製品の保持時間が伸びて、フードロスがなくなるという利点もあります。さらに、環境意識の高いヨーロッパ製品は、SDGsという点で先行しており、日本の飲食店さまにも積極的に導入していただきたいと思います。
 当社のような小さな会社では、大量生産が可能な大企業との競争はできません。したがって、ある程度コストはかかるがそれに見合う価値があると認めてくださったお客さまに、ビジネスパートナーとして長くお取引いただいております。コンビニやスーパーで売られている食品もめざましくレベルアップしています。飲食店さまがコロナに打ち勝って集客を取り戻すため、メニューの付加価値アップに貢献できるよう、今後も良質な機器・食材のご提供を続けていきたいと思います。