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INTERVIEW

DATA

東芝ライテック㈱
神奈川県横須賀市船越町1-201-1
☎046-862-2000
創業:1989年4月
資本金:100億円
事業内容:電球、放電灯、照明器具、配電・制御機器等の製造・販売
http://www.tlt.co.jp/

 東芝グループの照明事業を担う企業。1980年に世界で初めて商品化した丸形電球形蛍光ランプは、従来の白熱ランプと比較すると、省エネルギー性の高い光源で、多くの外食店舗でも導入が進んだ。
 2007年、同社は新たな光源であるLEDを使った実用的な明るさの商品を発売。2010年に一般白熱電球の生産を中止し、LED照明へ移行することを表明した。同社のLED照明のブランドはE-CORE(イーコア)。LEDの優位性であるEcology(C0₂削減)、Energy saving(省エネ)、Efficiency(効率)、Economy(経済性)をコンセプトとする。
 LEDには従来の白熱電球、蛍光ランプに取り換えて使える商品や、LEDの特性を活かした新しいコンセプトの商品など、短期間ででさまざまな商品が誕生し、店内照明はもちろん、店外でも活用できるものが多数ある。
 進化を続けるLED照明の世界で、同社の商品開発力は高く評価されている。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
21世紀の照明の主役、省エネ長寿命の
LED照明の商品化をリードする

東芝ライテック㈱

LED事業本部 商品企画統括部 部長
鹿倉智明

いずれすべての照明がLEDに置き換わる時代がきます
──日本で初めて白熱電球を実用化したのは、御社の母体である東芝だとお聞きしています。御社の歴史は日本の照明の歴史といってもいいのではないでしょうか。

 東芝の創業者の1人、藤岡市助が1890年に白熱電球を国内で初めて実用化して、そこから当社の歴史がスタートしました。その後しばらくは白熱電球の時代が続きましたが、1930年代になると蛍光ランプとHIDランプが発明されます。HIDランプは水銀灯などの総称で、大規模空間の照明や自動車の前照灯などに使われているものです。
 蛍光ランプは開発当初なかなか普及しなかったようですが、戦後だんだんと家庭やオフィスに普及していき、外食業でも明るい空間を求める店舗を中心に使われるようになりました。
 次に生まれたのが電球形蛍光ランプです。1980年、東芝が世界で初めて製品化しました。

──電球形蛍光ランプは白熱電球と蛍光ランプのよさを併せ持つ、省エネに寄与する照明として、外食業でも導入が進みました。

 オイルショックを契機に省エネのニーズが高まった中での新しい製品でした。外食業ではペンダント形の照明で使っていた白熱電球を省エネ、省コストの観点から、電球形蛍光ランプに替えるという流れが生まれました。開発当初は白熱ランプに比べて大きいという問題がありましたが、小形化が進んだことで、使いやすくなったと思います。色味に関しては白熱電球とまったく同等ではありませんが、多くのレストランで使っていただいています。

──十分な明るさと省エネ省コストというメリットは外食業にとって魅力的でした。そして、いま注目されているのがLEDです。

 当社が一般照明としてLEDのダウンライトを発売したのが2007年ですが、わずか4年の間に急速に進化し、浸透しつつあります。当社はE–CORE(イーコア)というブランド名で展開していますが、すでに1000機種近いラインアップがあり、さまざまなニーズに対応できるようになってきています。
 LEDはガス灯、白熱電球、放電灯(蛍光ランプ、HIDランプ)に次ぐ第4の光源といわれていますが、第2、第3までと大きく違う点があるのですよ。

──それはどういう点ですか。

 LEDは従来の光源すべてのあらゆる特性をカバーするものであり、すべてに置き換わると考えられているのです。これまでの光源の歴史をみると、蛍光ランプができても白熱電球はなくならなかったし、HIDランプができても同様でした。それぞれが並行して使われてきたのです。とくに外食業では白熱電球の良さが必要な店があり、現在もお使いいただいていると思います。
 しかし将来はすべてがLEDに置き換わるでしょう。唯一、現状では従来の光源に比べてコストが高いという課題がありますが、発売当初から比べればコストは下がっていますし、今後生産量が増えればさらに使いやすい価格になると思います。当社は2010年3月17日に一般白熱電球の生産を停止しました。

──当初のLED照明は点光源で、その放光は直接的であったり、光が粒々していて気になるなどの評価がありました。

 そういった面での改善、技術革新は非常にスピーディに進んでいます。直線的な光を広げたり、粒々でまぶしさ感のあった光をソフトできれいに光らせたりできるようになってきています。たとえば電球形のLEDでは広配光という技術によって一般の白熱電球や電球形蛍光ランプに近い、光の広がりを実現した商品が生まれています。これは光を拡散するガラスカバーなどランプ全体の明るさが必要な照明器具で使っていただけます。調光の可能な機器も揃ってきました。
 LED照明器具もベースライト、ダウンライト、スポットライト、屋外用の看板灯や街路灯など、外食業の方々の店舗のあらゆる場面でお使いいただける豊富なラインアップを用意しています。

──わずか4年でLEDは驚異的な進化を遂げました。外食業にとってのLEDの良さを教えてください。

 LEDのメリットはひと言で言えば、省エネ長寿命ということです。ですから、白熱電球からLEDに替えれば電気代が下がります。また長寿命なので交換の頻度が少なくなり、その分の手間、人件費の削減も考えられます。またLEDは赤外線や紫外線をほとんど含まない光源なので、照らされている面がほとんど熱くなりません。ですからスポットライトとして使っても熱による不快感が軽減されます。

――不快感がないというのはレストランにとってプラスです。

 外食業でお使いいただくことを考えた時には、料理がきれいに見えるというのが絶対条件です。この点を常に意識した商品の提案をしています。明るさについては店のスタイルによって求めるものがさまざまですから、それに最適のものを提案していきます。
 当社は照明を通して、外食業の方々をサポートしてきましたし、これからも最適な照明を提供する努力をして参ります。外食は多くの人の楽しみのひとつですから、そのための楽しい空間を演出するお手伝いをしたい。

──ライティングによって空間のイメージは大きく変化しますから、店舗にとって非常に重要な部分です。一方で省エネ省コストの要請も大きい。LEDへの注目度はますます高まるのではないでしょうか。

 震災以降、とくに省エネ・節電の意識が強まっており、レストランチェーンからも電力削減につながるものとしてお話をいただくようになりました。需要の高まりを感じており、製造・開発両面でフル回転で取り組んで参ります。
 
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