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INTERVIEW

DATA

髙瀬物産㈱
東京都中央区築地2-1-8
☎03-3545-7530
創業:1961年7月
資本金:20億円
事業内容:業務用食品、酒類、関連資材を卸売りする外食用食品・酒類総合商社
http://www.takasebussan.co.jp/

 創業以来、外食業に特化して食材、酒類、資材の卸しを行なってきた、専門卸商社。昨年から本格的に生鮮₃品の取り扱いも開始し、取り扱い品目は多岐にわたる。海外の生産者との結びつきも強固で、早くからヨーロッパなど海外の食材を手がけてきた。
 さまざまなメーカーの商品を扱うだけでなく、ユーザーの要望をもとに開発した髙瀬オリジナルのシェフィールブランド、ベストシェフブランドもラインアップし、多様なニーズに対応している。
 同社の強さの一つに独自の物流システムがある。常温・チルド・冷凍の各商品に対応した保温・配送機能を自社で構築、全国どこでもスピーディに配送することが可能だ。営業物流拠点は全国60ヵ所に配置している。
 さらに商品の供給にとどまらず、経営相談、商品情報の提供、メニュー提案、セミナー・展示会の開催など、多彩な情報提供でも外食業を支援している。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
国内外のクオリティの高い業務用食品・酒類を
外食業の現場に届ける、外食産業専門卸商社

髙瀬物産㈱

代表取締役会長兼社長
髙瀬孝三

外食応援企業としてこの道一筋に50年歩んできました
──御社は今年7月に50周年とのことですが、小誌も同じ7月にちょうど創刊50周年を迎えます。

 そうですか。お互いに50年という歴史を重ねてきたのですね。
 私どもは創業以来、外食産業のお手伝い一筋でやってまいりました。まさに外食産業とともに歩んだ50年でした。直接仕入れ、直接販売というポリシーを一貫して守り、直接ユーザーに商品をお届けしてきました。外食産業以外からの取引のお誘いもありましたが、それは一切考えませんでした。

──この間に取り扱う商品の幅が大きく広がったのではないですか。

 当初は瓶缶詰、乾物といったものが中心で、その後冷凍食品を扱うようになり、並行してチルドも加わりました。外食産業のグローバル化に合わせて、世界中の食品、酒類、資材などの非食品も扱うようになりましたし、昨年からは本格的に生鮮3品の扱いもスタートしました。創業のころには想像できなかったような内容となりましたね。

──御社は早くから海外の食品を外食業に紹介し、提供することに力を入れてこられました。

 私自身が海外に行きはじめたのは創業から5年目、いまから45年前だったと記憶しています。それからは積極的に行くようになりました。
 当時の日本はいまのような洋風化した食生活ではありません。本格的なホテルもまだまだ少なかったですから。そういう時代にヨーロッパで経験した食事はある種、夢のようなものでした。家族や友達同士でレストランのテーブルを囲み、食を通じて親しみを増し、楽しく過ごす。日本でもそんな食事のシーンが必ずくると思いました。

──それをバックアップしていこうと。

 当初は海外の珍しい食材を手に入れてきて、日本で提供するという形だけでしたが、だんだんと海外のレストラン関係者や生産者の方々との結びつきが強くなりました。
 その結びつきを生かして、日本の料理人の方々と海外に一緒に行って勉強したり、生産者を訪ねたりするようになったのです。さらに、向こうの生産者に日本の外食向けの規格の商品をつくってもらうこともはじめました。外国の食材を日本の外食産業の方々に橋渡しするということでは、私どもは先端を走っていたのではないかと思います。

──洋菓子材料も早くから手がけておられたとお聞きしています。

 幅広い食材を扱う中で、もともと菓子類にも力を入れていましたが、海外での仕事が本格的になり、洋菓子に注目し、力を入れるようになりました。当時はまだメインの食材のほうに目が行っていて、菓子やデザートの食材に力を入れる方が少なかったので、ユーザーの方々には喜ばれたと思います。

──この50年で外食業は本当に大きな変化を遂げました。近年は御社のユーザーのニーズも多種多様になっていると思いますが。

 ユーザーのみなさんの環境も、食そのものの環境もここ数年非常に速いスピードで変化していると感じています。食のトレンドという点も変化が速い。私どもも食材を卸すだけではなく、いかに食に関する情報をお客さま、ユーザーに提供できるかが大事だと思っています。たとえば缶詰一つ買うだけなら、どこから買っても同じですから。
 私どもは生産者とユーザーの間に立っています。ですから、生産者の情報をユーザーに、ユーザーの情報を生産者に伝えることができますし、情報のバランスをうまくとってミックスすることができる。みなさんに有益な情報を提供するのも私どもの役目ではないかと思います。
 また、当社は全国に営業所や支店のネットワークを持っており、東京に本社があります。各地の情報を集めて、ユーザーに還元することができる。たとえば東京の方が北海道フェアをやりたいとおっしゃったら、北海道の食材の情報を集める。大阪の方が東京のレストランの情報を知りたいといったことにも、できる限り対応します。
 さらに社内に情報収集部隊があり、まだまだ十分ではありませんが、メニュー提案やマーケット情報のレポートを出したりしています。

──現在取引しているユーザー数はどのくらいですか。

 5万5000店くらいです。個人店からホテル、大手チェーンなど規模も業種も本当にさまざまです。これだけ広いユーザーに対して、それぞれが必要なものを支援していくというのが私どもの仕事です。支援できることはまだまだたくさんあるのではないかと思っています。
 仕事の上でもっとも大切なのは信頼関係です。お互いに深くお付合いをして、コミュニケーションをしっかりととり、お互いに相手を理解し合う。簡単なことではありませんが、それができれば問題が起きたときも解決できるし、お互いに長く繁栄できるのではないでしょうか。

──東日本大震災は外食産業にも多大な被害をもたらし、いまだ完全な復興には至っていません。

 大きなダメージを受けましたが、外食に携わる人たちは立ち上がろう、また自分でいままで以上のものをつくろうと頑張っている方がたくさんいらっしゃいます。
 被災地でも想像以上に早く営業を再開する方がおられましたね。自分たちは飲食店をやっているのだから、一刻も早く店を開けたい、開けなければならない、という使命感を感じました。
 こうした方々を私どもとして、どうしたらサポートできるかを現在検討しているところです。とくに個人の場合は意欲があっても資金面で苦しんでいるのではないかと想像しています。どのようなことでも、お手伝いできることはお手伝いしたい。私どもはそういう方々に50年間支えられてきたのですから。
 
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