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INTERVIEW

DATA

三洋電機産機システム㈱
東京都台東区上野1-1-10
☎03-6364-3450
設立:2009年4月
資本金:3億100万円
事業内容:コールドチェーン機器の販売・施工、店舗向け省エネ関連システム/温度管理システム等の提案・施工
http://jp.sanyo.com/coldchain/

 会社設立は2009年。それまで三洋電機グループで展開してきた業務用冷凍・冷蔵庫、厨房機器、大型店舗用冷蔵ショーケースなどの業務用機器事業の販売を統合した。
 業務用冷凍・冷蔵庫の分野では1969年に最初の商品を発売して以来、常に最新の技術を投入したクオリティの高いものを提供している。昨年発売したJシリーズでは業界初のリニアインバータコンプレッサと独自の省エネ制御プログラムにより、冷蔵庫で従来のものに比べて最大60%の省エネを達成するなど、大幅な消費電力削減を達成。その他の製品でも省エネを意識した商品開発を続けている。
 新たな取り組みとして同社が提案しているのは省エネや環境問題、食の安全・安心、店舗の効率化などをトータルなシステムで実現するというもの。フードサービス業が直面するさまざまな課題を単独ではなく、連動したシステムによって解決しようというもので、新しい切り口として注目されている。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
総合電機メーカーの総合力を生かし
最新の技術を搭載した機器を提案する

三洋電機産機システム㈱

営業推進統括部 企画部 担当部長
阿座上 徹

お客さまの求めるものを開発すること。この基本は揺るぎません
──御社の業務用機器の歴史はいつスタートしたのですか。

 三洋電機の長い歴史の中で、業務用機器としては1960年のアイスクリームストッカーが最初の製品です。その後67年に製氷機、次いで69年に業務用冷凍・冷蔵庫を製品化しました。このあたりから本格的な業務用機器の事業が動き出しました。

──外食が急成長した70年代、御社の業務用事業も拡大したのですね。

 そうですね。ファミリーレストランやファストフードチェーンがスタートした時期で、業務用機器のニーズが一気に高まりました。
 私どもはお客さまと一体となって、機器の開発を行なってまいりました。家庭用機器との大きな違いの一つが堅牢な機器です。店舗での厳しい使用に耐える堅牢性をいかにつくるか。厨房でどんな機器が求められているか。お客さまから細かくヒアリングし、ニーズを理解して製品開発につなげる。この基本は現在も変わりません。

──技術力を生かした、独自の製品づくりが御社の持ち味ですね。

 当社は業務用でもこれまでになかった新しい機器の開発にチャレンジしてきました。たとえば肉をもっともおいしく熟成させるための氷温対応機器を開発したり、 オペレーションや食品保存性を重視して、業界で初めて中柱のないセンターピラーレスの業務用冷蔵庫も開発しました。また衛生意識の高まりを受け、機器の把手部分などに抗菌剤を練り込んで抗菌仕様にするということにもいち早く取り組みました。

──90年代中盤、外食業は拡大一辺倒の時代から成熟期に入りましたが、業務用機器はどう変化しましたか。

 それまでは画一的な店舗の大量出店や物流システムが現在ほど確立していなかったこともあって、一つの店舗でできるだけ多くのストックを持ち、多様な商品提供を厨房機器で支えるという流れでした。しかしバブル崩壊後の景気低迷の影響を受け、店舗のスリム化、効率化の流れが加速しました。当社もそのニーズに合った、ローコスト機器や省スペースで大容量をストックできる冷蔵庫などの開発を進めました。
 また、チェーン店の成長にともない、機器の保守、そして保守のためのシステム構築も非常に重要な課題となり、一気に関心が高まった時期でもあります。当社は、その時流に併せてメンテナンス受付のスリム化、効率化、保守管理の強化のソリューションとして、当社コールセンターによるワンストップサービスの提供なども開始しました。

──外食市場の成熟が進む中、今後どのような支援を行ないますか。

 外食産業における省エネや環境問題に対するニーズ、食の安全・安心の確保、店舗の効率化や活性化など、多様なニーズにお応えするため、「エネルギーマネジメント」と「クオリティマネジメント」の2つのコンセプトで、商品・システム・設備のご提案から、運用・サービスのご提案、保守・メンテナンスまでワンストップでお客さまの事業活動に貢献していきたいと考えております。
 まず一つめの「エネルギーマネジメント」においては、省エネ・ CO₂排出量削減のための店舗設備のご提案を積極的に推進していきます。たとえば、店舗の中で消費電力の構成比が高い厨房には、省エネ率の高い業務用冷凍・冷蔵庫(Jシリーズ)をはじめ、節水やランニングコストを大幅に削減させた製氷機や食器洗浄機といった厨房機器のご提案や、自然エネルギーを利用した太陽光発電システムやLED照明等パナソニックグループ各社の商品を組み合わせて、環境・省エネを切り口に、さらには店舗経費削減の一助にも貢献できるようなエネルギー管理を行なうということです。
 二つめの「クオリティマネジメント」においては、食材の鮮度を連鎖的に保持するいわゆるコールドチェーン、温度管理のマネジメントです。外食業では店舗への配送後の温度管理はもとより、その前工程である生産地から店舗までの段階の温度管理も非常に重要。安全でおいしいものを提供するために、流通段階のすべての場面で適切な鮮度管理、温度管理を行なおうということです。
 そして「エネルギー」と「クオリティ」のマネジメントをバックアップするのが、遠隔監視センター『ERMOS(エレモス)』です。『ERMOS』は、流通も含めた外食店舗などの現場で消費する電力と店舗内設備の各温度を計測し、ネット環境などを通じて監視センターにてデータを収集・蓄積するシステムで、お客さまに代わり店舗の各種データを分析し、課題点をご提案させていただき、さらなる省エネや運営改善に結びつけるというサービスです。今後もさまざまなお客さまに『ERMOS』をお勧めしバックアップしていきたい。

──トータルな仕組みで支援すると。
 そうです。でも、システムでの支援の前提は単品の機器がしっかりとした機能を持っていること。ですから当社は一つ一つの機器の機能充実にも全力で取り組んでいます。昨年リリースしたすべての業務用冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫はコンプレッサのインバータ化によって省エネ性を高めました。また CO₂を使ったノンフロン冷凍庫も商品化しています。

──省エネも今後は重要なテーマですが、これについては。

 これもトータルなシステムが重要。当社には太陽光発電システムによる「創エネ」、リチウムイオン蓄電池による「蓄エネ」といった自然エネルギーを有効利用し、効率的に蓄電するシステムを有しています。今後は、これに業務用で提供する省エネ機器を融合して、エネルギーを効率的に活用するスマートエナジーシステムをご提案していく予定です。
「私たちは世界の人々になくてはならない存在でありたい」。これが当社の経営理念です。この理念に基づき、さらに環境を意識し、お客さまにこだわり事業を展開していきます。
 
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